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首都圏の家庭向け電力販売、北陸電・中国電も参入、国内5社に。

2016.03.14

 北陸電力と中国電力は7日、4月から首都圏で家庭向けの電力販売事業に参入すると発表した。使用量の多い顧客を中心に料金を東京電力より安くする。市場規模が大きく、成長が期待できる首都圏では中部電力や四国電力、九州電力も家庭向け販売への参入を表明している。国内電力10社のうち半数の5社が参入表明したことで、地域を超えた顧客争奪戦は激しくなりそうだ。
 北陸電の首都圏向け料金は基本料金と120キロワット時までは東京電力(6月1日以降分)と同じにする。120キロワット時を超える分については、東電より1キロワット時当たり1・51~4・32円安くする。使用量にもよるが、年間で2~6%安い。首都圏でまず1000件の契約獲得を目指す。
 自社の余剰電力に加え、新電力など他社から購入する。志賀原子力発電所(石川県志賀町)再稼働の見通しが立たず、供給余力に限界があるため、供給量を限定して販売する。
 中国電の首都圏向け料金は40アンペアで月400キロワット時を使う家庭の場合、東電の現在の料金と比べ年間3%安くなるという。今後2~3年をメドに契約件数3万件を目指す。
 電気料金の比較サイトなどウェブでの宣伝を通じて顧客を獲得する。電気料金に応じてたまるポイントを、中国地方の特産品などと交換できるポイントサービスも展開する。
 
 
 日本経済新聞 朝刊,2016/03/08,ページ:13