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「金利以外」でお得感、マイナス金利下、集客競う、新生銀はTポイント、イオン銀は買い物割引。

2016.03.07

 日銀のマイナス金利政策導入を受け、銀行が金利以外で顧客に還元する動きが目立ってきた。新生銀行は投資信託や外貨預金の取引で共通ポイント「Tポイント」がたまるサービスを始める。イオン銀行では、住宅ローンの利用者が買い物の割引を受けられるサービスの申し込みが急増している。マイナス金利政策で預金金利の引き下げが相次ぐなか、金利以外のお得感を打ち出して顧客にアピールする動きが一段と広がりそうだ。
 新生銀はATMの入出金や他行からの振り込みでポイントがたまる「Tポイントプログラム」を展開している。新規口座の獲得に効果を発揮しており今回拡充を決めた。投信や外貨預金の取引でTポイントを付ける取り組みは、大手銀行では初めてとみられる。
 投信では、口座の開設から3カ月後の月末までの取引が対象となる。購入額が100万円以上の場合は2万ポイントが付く。外貨預金でも、取引額に応じて20~200ポイントがもらえる。1ポイントは1円の価値がある。
 Tポイントとの連携は地銀にも広がる。茨城県の常陽銀行は今春にも、ローンを組んだ顧客にTポイントを付与する取り組みを始める。静岡県のスルガ銀行は昨年すでにネット専用のTポイント支店を開設。ここで口座を開くとTポイントがたまるデビットカードがもらえる。
 独自のポイントサービスをてこ入れする動きも出てきた。りそなグループ3行(りそな銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行)はネット仮想商店街「りそなクラブ・com」への新規登録で独自のポイントが得られるキャンペーンを検討中だ。
 サイトを経由して買い物をすると1000円ごとに5~150ポイントがもらえる仕組みで、モールには5万店以上のオンラインショップが出店している。得られたポイントは楽天など提携する22社のポイントに交換できる。 一方、イオン銀行は小売業との連携を強みに顧客との取引拡大をめざしている。柱は住宅ローンの利用者に対し、イオン系列のスーパーでの買い物を5年間にわたり5%割り引くサービスだ。
 女性から支持が高く、2月の住宅ローンの申込件数は前年同月の約6倍に急増した。「マイナス金利政策の影響で注目が高まった」(同行)という。
 こうした動きの背景にあるのが長引く超低金利だ。日銀の異次元緩和で下げ続けていた預金やローン金利にマイナス金利政策が追い打ちをかけ、例えば普通預金金利は大手銀行や地方銀行で年0・001%まで低下。金利面の競争は岩盤に突き当たっていた。
 銀行にとっては資金調達コストを押し上げる預金金利などの引き上げよりも特定の顧客を狙い撃ちできるポイントサービスなどは利点が大きい。日々の銀行取引でポイントが得られるため、効率よく顧客をつなぎ留められるとみている。
 各行はマイナス金利政策のもとで顧客にどうお得感をアピールするかに知恵を絞っており、今後も金利以外のサービスを充実させる動きが相次ぐ見通しだ。
 
 
 日本経済新聞 朝刊,2016/03/07,ページ:5

 

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