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電力自由化の行く末(眼光紙背)

2016.03.01

 銀行と石油、電力といえばいずれも経済にとって重要な基盤産業だが、興味深い共通性がある。業界各社が同じ商品を取り扱っている点だ。銀行はお金、石油会社はガソリン、灯油など、電力会社は電気だ。微妙な違いはあるにせよ3業界とも違いを打ち出せない商品しか持たない。さらに銀行、石油、電力のいずれもかつて「業法」など厳しい規制に縛られていたが、1990年代以降、自由化が進んだ。規制緩和では銀行と石油が先行し、電力はやや遅れた。
 では自由化がこうした業界に何をもたらしたのか。答えは一目瞭然だろう。銀行は全国展開する都市銀行がかつての2ケタから「3メガ」に集約され、地方銀行や信金の統合も加速している。石油元売りも70年代には20近いブランドがあったが、今や「2強」体制に移行しつつある。電力だけは今も昔ながらの「10社体制」が残っている。単一商品しかない業界では最終的には「規模の経済」が働き、とりわけ販売網、供給インフラが不可欠なネットワーク型産業では、合併、吸収、統合に大きなメリットが出る。
 銀行と石油ではセット割引、ポイント付与、付帯サービスなど差異化の努力があったが、「差異化戦略が共通化する」ことで効果は出ず、結局は大手への集約に終わった。電力自由化の行く末はみえている。
 
 
 日経産業新聞,2016/02/25,ページ:22

 

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