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ファミマ、タイ店舗を5年で2倍、中食の品目2割増。

2016.11.21

 【バンコク=京塚環】ファミリーマートはタイの店舗数を5年内に現在の2倍の2000店舗以上に増やす。商品戦略も見直し、「中食」と呼ばれる弁当やデザートを充実させる。タイのコンビニエンスストア市場では大手財閥チャロン・ポカパン(CP)グループの「セブンイレブン」が1強体制を築くが、ファミマは日本のノウハウを生かした特色のある商品やサービスで追い上げる。
 タイ流通最大手セントラル・グループなどが51%、ファミリーマートが49%を出資するセントラル・ファミリーマートのチラヌン社長が明らかにした。バンコク首都圏や、観光地の北部チェンマイ、中部パタヤなど大都市で店舗網を広げる。
 中食の品目数を現状の2割増の500品目に増やす。日本米を使ったおにぎりや日本の製パン会社のパン、カットフルーツなど、日本の仕様を生かした消費展開で競合と差異化を図る。店舗の広さも平均で7割広い150平方メートルに広げ、店内に飲食スペースを設けるなど利便性を高める。
 さらにセントラル傘下の百貨店などで使えるポイントカードとこのほど共通化した。チラヌン社長は「他社にないユニークな商品やサービスで特色を出し、顧客獲得につなげる」とした。
 タイのコンビニ市場は9月末時点で地方へも幅広く出店するセブンが約9400店舗と突出。英調査会社ユーロモニターによると、売上高ベースでセブンのシェアは約7割、ファミマは5%だ。
 タイでは「テスコ・ロータス」などスーパーも充実したサプライチェーン(供給網)を生かした生鮮食品の豊富な小型店を展開している。
 
 日本経済新聞 朝刊,2016/11/15,ページ:11