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おトク―還元率高いプリペイドカード、LINEは利用額の2%(金融アイテムレビュー)

2016.10.03

 事前に入金して決済に使うプリペイドカードで、高率のポイント付与や現金還元を打ち出す例が増えている。利用条件を理解して使いこなせば、一般的なクレジットカードよりも高い還元を受けられる。
 LINE利用者向けに3月に発行が始まった「LINE Payカード」は利用額100円当たり2ポイント(2円に相当)を還元する。一般的なクレジットカードの還元率(0・5%程度)の4倍ほど。特別な条件を設けず通常利用時に適用される還元率としては各種カードの中で際だって高い。
 たまったポイントは同カードの残高として入金したり、「Ponta」などの外部ポイントへ交換したりできる。入金は1000ポイント以上、外部ポイントへの交換は300ポイント以上が必要。外部ポイントへの交換では「300ポイント↓270ポイント」などと1割程度、価値が目減りする点は注意したい。
 ソフトバンクの回線利用者向けの「ソフトバンクカード」は、共通ポイントの「Tポイント」がたまる。還元率は通常0・5%。所定の手続きをしたうえでファミリーマートやガスト、TSUTAYAで支払いに使うと、還元率は2・5~5%と高くなる。
 今年6月には、特定の曜日に特定の店舗で使うと、還元率が2・5~3%になる仕組みも追加した。現在、月曜日はウエルシア系のドラッグストア、水曜日は通販サイトのヤフー!ショッピングなどが対象だ。
 いずれの仕組みも最高の還元率を得るには、支払い時に残高の不足分が自動的に入金される「おまかせチャージ」に契約するのが条件で与信審査が必要だ。使い過ぎを防ぐというプリペイドカードの特性が薄れることは覚えておきたい。
 還元の細かな条件を気にしたくない人には外国為替証拠金取引(FX)会社、マネーパートナーズの「マネパカード」が選択肢になる。もともとは海外で外貨で決済するためのカードだったが、6月から国内でも利用できるようにした。同時に国内利用額の1・5~2%分をキャッシュバックする仕組みとした。
 高めの還元を得るには同社でのFX口座の開設や売買が必要。ただ、海外で外貨を使う時の手数料などが一般的なクレジットカードより大幅に安いという特徴もあり、国内外両方で利用機会があるという人にも向いている。
 
 日本経済新聞 朝刊,2016/10/01,ページ:22