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東電、日本瓦斯向けに都市ガス30万件分供給。

2016.05.16

 東京電力ホールディングス傘下の小売会社である東京電力エナジーパートナー(EP)は9日、日本瓦斯グループに都市ガスの卸供給を始めると発表した。日ガスはこれまで東京ガスから都市ガスを調達してきたが、東電EPに切り替える。関東を地盤とする日ガスはガスの調達コストなど経費削減を進め、都市ガス価格を従来よりも10%程度安くする方針だ。
 4月に始まった電力小売りの全面自由化に続き、2017年4月にはガス小売り自由化が始まる。企業間の連携が進めば割安なセット販売のメニューが増え、消費者にとって光熱費削減に寄与しそうだ。
 東電EPが17年4月以降、日ガスと同社グループ3社に年間24万トン、顧客数で30万件分の都市ガスを卸供給する。東電EPと日ガスは4月に始まった電力自由化でも電気とLPガスのセット販売で提携しており、ガス自由化に向けても連携を強化する。
 東電EPは今後10年でガス販売量を100万トン増やす計画。9日の記者会見で同社の小早川智明社長は「日ガスとの契約はガス事業拡大への極めて大きな一歩」と述べた。
 日ガスの和田真治社長は「最低でも(都市ガスの販売価格を)10%削減しなければ消費者から理解が得られない」と値下げに意欲を示した。同社は現在、関東圏で都市ガスを供給しているが、17年度に新たに11万件の顧客獲得を狙う。
 
 
 日本経済新聞 朝刊,2016/05/10,ページ:12