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富士アイティ、複数の再生エネ、一括管理、発電所、最大2000ヵ所同時に、量など可視化。

2016.04.11

 富士電機の子会社でシステム開発を手掛ける富士アイティ(東京都立川市)は、太陽光や風力など複数の再生可能エネルギー発電所をクラウド上で一括管理できるシステムの販売を始めた。再エネ発電所は太陽光の普及が先行しているが、今後は太陽光以外の建設が進むとみて、発電事業者へ売り込む。最大で2000カ所を同時に管理できる機能性が強みだ。
 新システム「エナジーコンシェルジュ」は太陽光をはじめ風力、水力、バイオマスなどの発電設備に対応。同社によると、異なるエネルギーの発電所を一括管理できるシステムは珍しいという。
 登録した発電所にカメラや専用設備を設置し、リアルタイムで発電量や機器の異常などを管理。パソコンやスマートフォン(スマホ)で一覧できるようにして情報を「見える化」する。利用者はリアルタイムで状況を把握できるほか、過去の発電量なども閲覧できるため、同社は同システムの活用が発電効率の改善につながるとみる。
 価格は管理する発電所の数などで異なる。例えば、太陽光で発電能力2000キロワット未満、水力で200キロワット未満、風力で20キロワット未満の発電所を1基ずつ管理する場合は初期費用が180万円、利用額は月1万8000円となる。
 富士アイティは太陽光発電設備をクラウド上で管理するサービスを2012年から手がけている。利用者から他の再生可能エネルギーに対応したシステムを求める声があり、新システムを開発した。電力自由化の流れで新電力などからの需要が高まるとみている。
 当面は発電事業者を中心に販売するが、将来は発電所の建設を手掛ける企業と連携し、施工と組み合わせたパッケージ商品を開発するなどして顧客開拓を進める考えだ。同社は初年度に太陽光で100基、風力で20基、水力で15基の受注を獲得する目標を掲げる。
 
 
 日経産業新聞,2016/04/07,ページ:11