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全面自由化で検討、時期は「様子見」8割―「電力会社変えたい」7割、「料金の安さ」最も重視。

2016.04.04

ポイント
(1)「電力会社を変えてみたい」人は7割を占めているが、「自由化後すぐに変える」人は、その中の2割。
(2)電力会社選択時に最重視する点は「料金の安さ」。「料金メニューや手続きのわかりやすさ」が続く。
(3)電力会社選びに活用する情報の中で、最も重視するのは「インターネットなどウェブ情報」。
 4月1日から始まった電力小売り全面自由化。博報堂の調査では、7割の人が「電力会社を変えてみたい」と答えており、人々が自分の意志で電力会社を選ぶスタイルが大きな流れとなる可能性を秘めている。ただ、変更時期については「最初に変えた人の様子を見て」「多くの人が変えるようになってから変える」が約8割と様子見層が多い。ブームといえる状態になるのには時間がかかりそうだ。
 博報堂エネルギーマーケティング推進室では、2011年から「エネルギーに関する意識調査」を継続的に実施し、近年は「電力の小売全面自由化」にフォーカスを当て、生活者の意識を調べている。
 15年11月の調査では、生活者の「電力小売り自由化」に対する認知度(「内容を詳しく知っている」+「内容を知っている」+「聞いたことがあり、内容を何となく知っている」+「聞いたことはあるが、内容は知らない」)は87・0%と9割近くが認知している結果となった。
 「電力小売り自由化」の認知は男女によって差があり、男性の方が認知度は9割と高く、内容理解度(「内容を詳しく知っている」+「内容を知っている」)も6割を超えている。これに対し、女性の方は認知度8割、理解度5割弱と、相対的に低い値に留まっている。
 「電力小売り自由化後」に電力会社を「変えてみたい」(「電気代が今と一緒でも、電力会社を変えてみたいと思う」+「電気代が今より安くなるのであれば、電力会社を変えてみたいと思う」)と答えた人は7割に上った。「電力会社変更意向」も男女によって差があり、男性の74・8%に対し、女性は65・7%に留まった。
 電力会社を変えてみたいという人に、「いつ変更しようと思うか」と聞いてみたところ、「自由化後すぐ」と答えた人が17・5%で、「最初に変えた人の様子を見て」が47・1%となった。この変更時期についても男女による差が大きい。「自由化後すぐに変える」という人は男性では22・3%と2割以上なのに対し、女性は12・0%と男性の半分程度。男性よりも女性の方が慎重のようである。
 また、電力会社を選択する時にどのような点を重視するかを聞いたところ、「重視する」と答えた人が最も多かったのは「料金の安さ」で83・3%となった。「料金メニューや契約手続きのわかりやすさ」(45・7%)「安心安全なイメージの企業であること」(45・0%)「顧客対応などのサービス品質」(42・1%)なども、重視点として上がってきている。
 14年調査と比較すると、「料金の安さ」のみが上昇しており、電力自由化によって電気料金が下がることに対する人々の期待感が高まっていると考えられる。
 一方で、博報堂が14年5月に実施した「増税後の主婦の消費意識」調査で、増税をきっかけに実際にとるようになった消費行動を聞いたところ、「節電・節水などの節約」が25・0%だった。4人に1人が実施しており、もし来年4月に消費税が増税されると、「料金への意識」がより加速する可能性がある。
 加えて、電力小売り各社から販売が想定されるメニューについての利用意向を聞いたところ、最も利用意向が高かったのは「長期契約による割引メニュー」(63・3%)だった。続いて、「ポイントサービスと提携したメニュー」(55・0%)「電気とガスや水道のセット販売による割引メニュー」(54・6%)「時間帯によって料金単価が異なるメニュー」(53・0%)「電気と通信のセット販売による割引メニュー」(49・0%)となった。
 利用意向の高いサービスメニューを見ても、「割引メニュー」や「ポイントサービス」など「料金の安さ」が関心の中心になっていることがうかがえる。
 このように様々な選択肢が広がっていくことが予想される中、どんな情報を選択時に重視するか聞いてみたところ、一番多かったのは各企業のHPや比較サイトといった「インターネットなどウェブ情報」で61・9%だった。複雑な料金・メニューであることから、じっくり見て比較検討しようとしていることが分かる。
 次に多かったのは、「実際の人からの情報」(27・0%)。これにはエネルギー会社の人や知り合いなどが含まれている。これまでになかった新しいサービスだけに、生活者は様々な人の意見を聞いて決めたいとも考えているようだ。
 最後に、電力会社の選択において重視される「インターネットなどウェブ情報」の1つである「電力比較サイト」の利用意向も聞いてみたところ、72・4%が「利用したい(利用したい+やや利用したい)」と答えた。幅広いメニューが出てくることが予想される中、自分に適切な選択をするために、比較サイトなどの活用が一般化していくことが推測される。
 
 
 日経MJ(流通新聞),2016/04/04,ページ:2

 

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