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リクルート、「ポンタ」と統合、ポイント利用7000万人規模、結婚・転職・買い物…、会員情報を一体化。

2014.05.08

 リクルートホールディングスと三菱商事系のポイントサービス「Ponta(ポンタ)」は2015年春にも、商品の購入時などにたまる共通ポイント(3面きょうのことば)を統合する。ポンタの運営会社にリクルートが出資し、運営にもかかわる。リクルートは1千万人超の会員を持つ。統合でポンタは7千万人規模となる。結婚や転職など利用者に関する情報を有機的に結合したデータを分析し、商品開発や販促に生かす。
 三菱商事の子会社でポンタを運営するロイヤリティマーケティング(東京・渋谷)が今夏にも80億円規模の増資をする。リクルートは約15億円を引き受け、既存株主のローソンも追加出資する。増資後のリクルートの出資比率は約15%となる。
 リクルートの「リクルートポイント」は宿泊予約の「じゃらん」などで使え、会員数は1千万人以上とみられる。6千万人超が使うポンタはローソンなど約2万2千店舗で利用が可能。今夏にも相互交換を始め、来春にポンタに一本化する。
 競合するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)系の「Tポイント」は日常使う会員が5千万人程度。昨年にはヤフーとポイントを統合した。リクルートもポンタと統合してネットと実店舗の融合を進める。
 リクルートは宿泊予約など個別にIDを発行していたが、現在は結婚情報の「ゼクシィ」や転職情報の「リクナビNEXT」などを1つのID「リクルートID」に集約。複数サービスの利用状況をまとめて把握できるようになっている。
 結婚情報の「ゼクシィ」は数十万人規模の会員を持つ。リクルートが保有する利用者の結婚や転職などの情報とポンタの持つ日常の購買データを個人が特定できないようにしたうえで組み合わせてビッグデータ分析すれば精密な販促ができる。
 例えば子ども向けの菓子を発売する場合、不特定の女性へ一斉に販促メールを送るよりも、結婚から数年が過ぎた女性に知らせる方が購入する可能性は高まりやすい。特定の顧客層に向けた商品開発もしやすくなる。
 リクルートは結婚や仕事探しなど、利用者の人生の節目の情報を個別に持っている。今後も人生の節目となる情報を1つのIDに集約していき、一人ひとりが必要とする新たなサービスを提供できるようにする。
 ポンタは商品をどんな客層が買ったかなどのデータを持つ。現在はローソンがデータと会員の年齢などを分析し商品開発や販促に生かしている。
 
 
  日本経済新聞 朝刊,2014/04/30,1面

【 担当者のコメント 】


 3大共通ポイントの動向を見ると、Tポイントとヤフーの統合、楽天のリアル店舗カードの進出という大きな戦略的動きがあったのに比し、ポンタの出遅れ感が目立っていた。その矢先のリクルートポイントとの統合である。確かにリクルートの企業としての市場への影響力は大きいと言えるが、ポイントの統合としては果たしてどうであろうか。
 Tポイントも楽天も、主眼はポイントのO2O利用という戦略にあり、オンラインでのポイントプラットフォームをどう強化していくか、という時代の流れの要請が眼中にある。その観点から見た場合、リクルートポイントのオンライン市場は極めて特殊な領域であり(非日常市場)、一般的なショッピングモールとしての強みは持っていない。また、そもそも同社がデジタル領域で先駆的であるかといえば、そうは言えないというのが実情であろう。
 また本記事は、ひたすらビッグデータでの可能性の大きさを謳っているが、その前に、ポイント統合の本質的なインパクト(支持され利用されるか)を引き出せるかが鍵であるはずである。
 統合の結果、独自の差別化された戦略による効果をもたらせるか、今後の動向を注視したい。
 
 

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