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シンガポール――スマホかざし特典ゲット(アジアの街から)

2014.04.21

 買い物額に応じて特典がもらえるポイントカード。シンガポールでは最近、スマートフォン(スマホ)をかざすだけでポイントがたまるアプリを店で使う人が目立つ。複数の店のポイントを一括で管理でき、地図で最寄りの店を探せる機能も搭載。利便性とお得感を求めるシンガポールの消費者の心をつかんでいる。
 シンガポール中心地にある高島屋内の食品店「サラダストップ」は紙のポイントカードの代わりにアプリ「Perx(パークス)」を導入している。支払時にスマホで専用のバーコードを読み取ると、割引などの特典に使えるポイントがたまる=写真。同店では1日に200人程度がこのアプリを使って買い物するという。利用者は「若者から60代まで幅広い」(同店)。
 パークスの加盟店はシンガポールとフィリピンで約800店。アプリの利用者は約200万人とここ1年で2倍に増え、「米国や日本進出も考えている」(ジョン・スギハラ最高経営責任者)。シンガポールではチェーン店や商業施設が独自のアプリを利用客に提供する例も増えつつある。
 特典好きなシンガポール人の性格もこうしたサービスの普及を後押ししている。調査会社のニールセンによると、ポイントカードなど得意客向けサービスがある店で買い物することが多いと答えた人はシンガポールで91%と、調査地域全体の84%を上回った。
 
 
  日経MJ(流通新聞),2014/04/18,10面