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第2部eリテール特集――ビッグデータ、販促精度高く、Tポイント、会員の購買情報販売、4800万人の嗜好7割的中。

2014.03.04

 膨大な顧客情報を宝の山として活用する「ビッグデータ時代」が到来した。IT(情報技術)を駆使してデータから顧客の好みや行動パターンを詳細に分析し、販売促進や商品開発の精度を高められるようになった利点は大きい。消費財を扱うメーカーや小売りだけでなく、ポイントサービスを展開する企業まですそ野は広がってきた。
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)は共通ポイント「Tポイント」の会員の購買情報を集めたビッグデータを企業に販売。消費者の好みを反映した食品などの商品開発に生かす。
 Tポイントはレンタルビデオ店「TSUTAYA」を展開するCCCが運営し約4800万人の会員を持つ。コンビニエンスストア「ファミリーマート」やコーヒー店「ドトールコーヒーショップ」、紳士服店「洋服の青山」など110社の約7万店で利用できる。
 多数の会員や加盟店から集めた購買データからは、その人の家族構成や年収のほか「甘党」「夜型」「堅実派」など嗜好や生活パターンがほぼ70%の確率で分かるという。こうした消費者の属性と商品の売れ方から、早ければ数日で企業が求めるデータを提供する。
 例えば自社の冷凍食品が夜間に20代の独身男性によく買われていることが分かれば、この層に適した量や味付けの商品を用意し、売り上げを伸ばせる。時間限定のセールなど集中的な販売促進も可能だ。30代の働く女性に栄養ドリンクを売り込む場合、その層がどんな雑誌やタレントに関心があるかを知ると効果的な広告宣伝ができる。
 CCCは小売りが大半を占める加盟企業にデータを提供してきた。蓄積量が大幅に増え、加盟していないメーカーの商品開発にも使えると判断した。メーカーは他社商品を含む広範な購買データを手に入れられる。
 凸版印刷と協力し、ビッグデータを活用した販促サービスにも乗り出した。Tポイントの会員属性をもとに、会員が凸版印刷の電子チラシ「Shufoo!(シュフー)」を見た際の行動を分析。商品を選ぶ際の迷いなど購入前の行動を調べる。潜在顧客を特定し、スマートフォン(スマホ)やパソコンにダイレクトメール(DM)を配信する。
 商品へのこだわりを分析する手法で高級品メーカーなどの需要を開拓する。小売店などが展開する従来の分析は購入の結果を対象としていたが、購入に至るまでの動向を細かく分析することで、潜在的に顧客になりそうな利用者を絞り込んでDMを配信する。一般に約5%といわれるDMの開封率を高める。
 CCCは昨年4月、凸版と両社の会員向け販促事業で提携した。凸版の「シュフー」を閲覧するとTポイントがたまるスマホ向けアプリを提供している。シュフーの閲覧者は月間約540万人。Tポイント会員の利用者が電子DMサービスの分析対象となる。
 例えば「30代の女性」といった属性は従来のTポイント会員のデータで把握できる。これに加えて広告閲覧履歴をもとに「エステに興味」「育児中」といった興味に関する内容も推測する。消費者が閲覧した広告や閲覧回数のデータも収集。購入までにどの商品と比較して迷ったかを分析する。ブランドや価格、機能などの要素を探り、企業のマーケティングを後押しする。
 
 
  日経MJ(流通新聞) 第2部,2014/03/03,11面

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