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大衆薬、ファン獲得へ知恵、継続使用を促進、エスエス製薬、サイトで服薬記録、湧永製薬、指定店でポイント。

2014.02.05

 一般用医薬品(大衆薬)各社は消費者との接点を増やし、製品の継続使用を促すことに知恵を絞っている。エスエス製薬は、しみ改善薬「ハイチオール」ブランドなど主力製品の使用者向けに会員サイトを開設したほか湧永製薬(大阪市)は会員カードを作成し、消費者の購買動向にあわせた販促を進める。市場環境が厳しい中で固定客を増やそうとしている。
 エスエス製薬はしみ改善薬「ハイチオール」や、足のむくみを改善する飲み薬「アンチスタックス」など3ブランドで、会員サイトをこのほど開設した。製品情報や食事、運動方法を含めた健康情報の提供や、いつ服薬したかを記録できる機能を盛り込んだ。記録を付けたり、アンケートへ回答したりすると、賞品が得られる抽選に参加できるポイントをためることも可能だ。
 ハイチオールもアンチスタックスも毎日服用する必要があるが、飲み忘れや服薬をあきらめてしまう場合がある。会員サイトを通じて服用意欲を高める情報や賞品を用意することで継続使用を促す。
 同時に薬剤師など販売する側との接点も広げ、販促に役立てようとしている。昨年末には薬剤師と登録販売者向けに、鼻炎薬「アレジオン10」の会員サイトを開設。製品や病気の説明、販売する際に役立つ接客方法などをまとめた遠隔講義(e―ラーニング)を用意した。
 販売者向けには定期的な勉強会を開いているが、「時間や場所の制約がないe―ラーニングを使えばより多くの人に学んでもらえる」(学術担当の伊藤淳課長)。消費者と対面する薬剤師や登録販売者に製品の特徴を正しく理解してもらうことで、店頭での製品の存在感を高める狙いだ。
 会員カードを使って販促を進めるのが、湧永製薬だ。
 指定の販売店で主力の滋養強壮剤「キヨーレオピン」などを購入する際にカードを提示すると、ポイントがたまる仕組み。ポイントは景品と交換したり、同社のハンドボールチームの試合観戦などに使ったりすることが可能。2013年10月末時点で約15万人が会員登録している。  カードには購入した製品と日付が記録される。この記録を使い、販売店と協力して実施した販促活動に対して、顧客からどの程度反応があったかどうかを把握。今後の効果的な販促方法の検討を進めている。湧永製薬は対面販売を重視しており、湧永寛仁社長は「消費者と店舗とのきずなづくりに会員カードをいかしていきたい」と話す。
 大衆薬は購入する際には製品に対する安心感が重要になるため、知名度の高い歴史のあるブランド製品が選ばれることが多かった。ただドラッグストアで安価なプライベートブランド(PB=自主企画)商品なども浸透してきており、価格で選ぶ消費者も増えている。浅く広く宣伝するだけでなく自社製品のファンを育成するための工夫がさらに求められそうだ。

  日経産業新聞,2014/01/30,18面

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