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共通ポイント三つどもえ、9千万会員、楽天10月参入、百貨店も陣営に、攻勢――ポンタ、Tポイント、ネット強化で対抗。

2014.08.18

 様々なジャンルの店でポイントをためて使えて、消費者から支持を集める共通ポイント。今秋、楽天が「楽天スーパーポイント」を共通ポイント化し、実店舗で使えるようにする。先行する業界最大手の「Tポイント」はヤフー、「Ponta(ポンタ)」はリクルートと提携してネット分野を強化、対決色を鮮明にした。三つどもえの戦いに入る3陣営の戦略と攻守のポイントを探った。
 「共通ポイント業界は大乱世になる」
 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)傘下のTポイント・ジャパン(東京・渋谷)が運営する「Tポイント」と、ロイヤリティマーケティング(東京・渋谷)が運営する「ポンタ」。この2強の天下が、楽天の参入により崩れると業界関係者の見方は一致する。
 10月1日、楽天の共通ポイントはJ・フロントリテイリングやサークルKサンクスなど計11社と共通ポイント市場に船出する。ネット通販「楽天市場」などで使える楽天スーパーポイントが、当初は実店舗1万3400店で利用可能になる。
 日本の人口の7割以上に当たる9千万会員を抱えるとする楽天。実際に稼働している会員数は約6500万人とみられ、市場に流通しているポイントは1千億円規模にも達するもよう。1年以内に利用した人数を集計したアクティブ会員数を4500万人とするTポイント、総会員数を6400万人とするポンタに突如、ライバルが現れる。
 野村総合研究所によると、国内のポイント・マイレージの市場規模は2018年度には9930億円と現状から1割強、拡大する見通し。5割超の消費者が利用する店舗をポイントで決めるともいわれ、集客への効果は大きい。
 Tポイント、ポンタは市場流通ポイントを金額換算して公表していないが、クレジットカード「楽天カード」や楽天銀行など金融を強みにする楽天との陣取り合戦は激しくなるだろう。
 楽天はクレジットカードにポイントカードの機能を載せることも検討。「リアルにも流れ込ませ、よりパワーを強める」(楽天関係者)。しかも楽天は同じ業種の企業でも加盟を認める。先行する2強による加盟店の獲得が伸び悩むなか、楽天は数年で5万店規模を目指す。複数企業と交渉を進めており、来春にも第2陣を投入する計画だ。
 迎え撃つTポイント陣営。03年に先駆けて共通ポイントを始め、現在の加盟店はファミリーマートやガストなど計7万5千店ある。7月にソフトバンクの携帯電話料金の支払いにも使えるようにし、商店街や海外にも利用範囲を広げている。
 ネットからリアルに攻め込んできた楽天への対策として、最大の対抗策はネットの強化。楽天のライバルであるヤフーと12年に提携し、13年7月にIDを統合した。6月にはヤフーとTポイントが持つ一部データを相互提供できるよう規定を改めた。Tポイント・ジャパンの北村和彦副社長は「ヤフーのメディアとしての力に期待している」。
 ネット強化はポンタにとっても課題だ。7月末、ポンタとリクルートのポイントの相互交換が可能になった。ポンタ運営のロイヤリティマーケティングは4月にリクルートと提携、15年春に宿泊予約サイト「じゃらん」などで使えるリクルートポイントを、ポンタに統合する。統合後はポイントを使える店舗は10万店以上になる見込み。
 ローソンを中心に2万3400店の加盟店を持つポンタは、リクルートとの連携で「弱点だったネットが強化できる」(アナリティカル事業本部の内山敦司本部長)。
 今後、各陣営ともリアルとネット双方に送客する仕組みの構築が勝負の決め手となる。一方で、「ポイント経済圏」の規模拡大に向けた加盟店の新規獲得や、引き抜きといった囲い込み競争が激化しそうだ。
 
 
  日経MJ(流通新聞),2014/08/15,1面

 

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