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社員に報奨、ポイントで、JTB、法人向けサービス。

2014.08.18

 JTBは10月から、企業が働き度合いや成果に応じて従業員にポイントを付与できる法人向けサービスを始める。従業員はたまったポイントを家電やファッション雑貨などと交換できる。従来の報奨旅行や表彰制度の対象になりにくいパートなど非正規従業員にも導入しやすく、従業員の士気向上や定着率改善につなげられる。JTBは報奨旅行事業を手掛けているが、ポイントサービスで法人向けの新たな需要を取り込む。
 新サービスは「サンクスコレクト」の名称で始める。1ポイント1円換算で、交換対象商品は旅行や体験プログラム、家具など約1万点をJTBがそろえる。企業ごとにポイントの有効期限、ポイント交換サイトのデザインを設定できる。
 従業員がポイントと商品を交換した際に、企業がその費用を負担し、JTBの売り上げになる。年間2千万ポイント以上を利用すれば、初期費用やサービス利用料はかからない。5年間で600社の導入を目指す。
 
 
  日本経済新聞 朝刊,2014/08/13,12面

【 担当者のコメント 】

 購買に応じたポイントとは全く別ベクトルでのいわゆる「精神的価値」に対するポイント付与の動きが各所で喧しい。特に従業員の「評価」にポイントプログラムを参入させる動きが目立っている。SNSの「いいね!」機能を使ったインセンティブ制度など面白い試みもあるが、JTBはそのような動きに対するプラットフォームの提供を行う。導入企業は「働き度合い」や「成果」に応じてポイント付与し、その交換商品スキームまでワンストップで享受できる。注目されるのは、JTBがこの仕組みを5年間で600社導入することを目論んでいることである。本格的な「精神的インセンティブ」プログラムの幕開けとも言え、目が離せない。