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ポプラ、「楽天ポイント」導入(日経デジタルマーケティング成功のヒント)

2014.08.18

 コンビニエンスストアチェーンのポプラは今秋から、楽天がリアル店舗へ展開を計画している共通ポイントサービス「楽天スーパーポイント」を導入する。楽天の顧客IDを軸に、個人情報を使わない形で、より精緻に顧客データを分析。楽天会員向けのメールマガジンなどで、リアル店舗の来店促進策を展開する方針だ。
 意外に思われるかもしれないが、ポプラはもともと、データ活用に熱心に取り組んできた。国勢調査データから店舗ごとの商圏に在住する主な顧客層を分析。その顧客層が来店につながっているかどうかをPOS(販売時点情報管理)データから割り出す。来店につながっていなければ、求められる商品などの仮説を立て、店舗で展開する。こうした施策に取り組んだ結果、広島市中区にあるポプラ白島北町店では2014年2月の売上高が前年同月比26%増に、来店客数も21%増えた。
 楽天スーパーポイント導入後は楽天IDに登録されている居住地、年齢、性別やネットとリアルの両方に購買情報を掛け合わせて顧客分析を進める。
 ポイント付与による割引などは収益を圧迫する恐れがある。それでも「業界の動向から(ポイントサービスを)やらなければ遅れをとることは明らかだ」と中間昭登執行役員管理本部長は言い切る。ポイントのデータを活用した経営を一段と推進する決意だ。
 
 
  日経MJ(流通新聞),2014/07/09,9面