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当座預金サービス提供、英テスコ、囲い込み狙う、買い物利用にポイント。

2014.07.03

 小売業世界3位の英テスコは、金融子会社を通じて当座預金口座サービスを始めた。顧客がデビットカードで買い物をするたびにポイントを付与し、苦戦している母国での顧客囲い込みにつなげる。住宅ローンなど既存の金融事業の拡大にも役立てる。英国では競争政策当局が寡占状態にある当座預金口座の競争を促す方針。テスコにとって追い風になる可能性もある。
 顧客にはテスコの会員カードを兼ねる当座預金口座のデビットカードを提供する。テスコで買い物するときに使うと、通常の会員向けポイントに加えて、4ポンド(約690円)の支払いごとに0・01ポンドに相当する1ポイントを付与する。テスコ以外での買い物にも8ポンドごとに1ポイントを与えて、来店動機を高める。
 口座の維持費として毎月5ポンドを徴収するが、給与振り込みなどで月750ポンド以上を入金すれば無料にする。3千ポンドまでの預金残高には年率3%に相当する金利を月ごとに払う。口座はネット銀行として提供する仕組みだが、一部の店はATMや顧客サービス窓口での出入金もできる。
 テスコ子会社のテスコバンクは住宅ローンや貯金口座を手掛けてきた。当座預金口座はローンなどより利益率が低いとされるが、小売店の魅力を高めるには必要と判断した。事業は数年で黒字化させる計画だ。
 テスコバンクのベニー・ヒギンス最高経営責任者(CEO)は「サービス設計にあたっては2万以上の顧客の声を聞いた」とコメントした。
 テスコは3~5月の売上高が前年同期に比べて3・7%減った。海外事業で為替変動の影響を受けたこともあるが、テコ入れを進めるお膝元の英国でも既存店売上高が3・8%減と「過去40年で最悪の落ち込み」になったことが響いた。独系ディスカウントストアの「アルディ」や「リドル」などとの競争で優位性を失いつつあり、来店客数を回復することが緊急の課題になっている。
 英国の当座預金口座サービスでは現在、ロイズ・バンキング・グループなど5社で7割以上のシェアを持っている。英当局は同分野で競争を促す考えで、昨年は利用者が7営業日以内に口座を別の銀行に切り替えられる制度を整えた。こうした流れがテスコの新サービス拡大を後押しするとの指摘もある。
 当座預金口座は顧客をローンなど他のサービスへ誘引する手段にもなりうる。テスコバンクは住宅ローンやクレジットカードでも相乗効果を得たい考えだ。
 
 
  日経MJ(流通新聞),2014/06/27,10面

 

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