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大量ポイント、宴会幹事の心つかむ?(日経デジタルマーケティング成功のヒミツ)

2014.01.15

 「和民」「わたみん家」などの居酒屋チェーンを展開するワタミフードサービス(東京・大田)は、このほど導入した新施策によって、年末年始に大幅な来店客増を見込んでいる。
 11月、ロイヤリティマーケティング(東京・渋谷)が提供する共通ポイントサービス「Ponta」を和民など6ブランド全国609店舗に導入した。現在、サービス開始記念として専用サイトからワタミの会員制度に登録すると、Pontaポイントを2倍(2%)付与するキャンペーンを実施中だ。
 Pontaのような共通ポイントの導入はもはや珍しくない。それでもワタミフードサービスは、来店客を増加させる目算があるという。それは、一言で言えば他の業態ではありえないほどの「ポイントの一気ため体験」を同社なら提供できること。忘年会などで参加人数が多ければ、代金が10万円ほどになるケースは珍しくない。10万円を幹事が払い、Pontaカードを精算時にレジで提示すれば、幹事のPontaカードには一気に2000Pontaポイントがたまる(2%付与の場合)。
 通常の還元率の1%で2000Pontaポイントを獲得するには20万円分の購入が必要。コンビニエンスストアやファストフードではまず不可能な、大量のポイント獲得の機会になるというわけだ。
 多くの場合、宴会場所を選ぶのは幹事の役割。幹事にとってポイントの一気ためが期待できることは、同社店舗を選ぶ強力なインセンティブとなるというのが同社の考え。その思惑通り、大きな成果を上げられるだろうか。

 日経MJ(流通新聞),2013/12/20,3面